高血圧症とは
血圧とは、心臓から送り出された血液が動脈の内側の壁を押す力を指します。血圧は心臓が血液を送り出す力と血管の弾力性で決まります。動脈は心臓から送り出される動きに合わせて伸び縮みしており、心臓が収縮して血液を送り出し血圧が高くなった時の血圧を収縮期血圧(いわゆる上の血圧)、心臓が拡張して血圧が低くなった時の血圧を拡張期血圧(いわゆる下の血圧)と呼びます。血圧は塩分、喫煙、肥満、ストレス、運動、自律神経、ホルモンなどの影響で常に変動しています。高血圧症は、血圧が何度も繰り返し測定をしても高い状態を指します。病院などでのみ血圧の高い「白衣高血圧」という方もおられますので、自宅での血圧測定をお勧めします。血圧測定の機械には二の腕で測定するものと、手首で測定するものがありますが、二の腕型の方が正確といわれています。
高血圧の状態が続くと血管は常に負荷がかかり、次第に血管は硬くなります(動脈硬化)。この状態が続くと、脳出血・脳梗塞などの頭の病気や、心筋梗塞、大動脈解離などの心臓や血管の病気に繋がります。
高血圧症には、遺伝や生活習慣などで高くなると言われている「本態性高血圧症」と、ホルモン異常や腎臓の血管の異常などで引き起こされる「二次性高血圧症」とに大別されます。二次性高血圧症の場合、本態性高血圧症とは治療方針が異なる場合も多いです。
当院では、診察室での血圧と家庭血圧をもとに、他にお持ちの病気や飲んでいる薬なども考慮しながら治療を実施していきます。他にお持ちの病気によって血圧の目標値は異なりますので、お一人お一人の状況にあわせた治療を心がけます。
喫煙、塩分、肥満、運動不足などの生活様式の変更で血圧の改善も見込めますので、多職種で相談に乗らせていただければと思います。また、二次性高血圧についても疑わしい場合は検査を積極的に実施し、診断と治療につなげていきます。